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Sebastian Conran on Design & Japan
27.11.18
Sebastian Conran on Design & Japan

BY SEBASTION CONRAN

人々は、感覚を通して世の中を知覚します。人生とは感覚の活動なのです。我々が日々出会い、使うモノをデザインすることは、有用性、使い勝手、機能、見た目、仕上げ、製造、材料、コスト、ブランド等の点をつなぎ合わせることに止まりません。デザインとは、モノに個性と性質、ユーザーに喜びと満足感を与えることでもあります。それはモノをデザイン、作ることに込められる思いを吹き込むことで魂を宿わせることに関わっているのです。この考え方を日本の製造業者は本質的に理解していると思います。


“This level of attention and thought is what makes working with Japanese companies so rewarding”


1986年に私が最初に日本で働き始めた際、日本の文化の素晴らしい点の一つとして、ほぼ全ての物事に細部にまで配慮が行き届いていることに私は大変感銘を受けました。食事に関して言えば、素材の厳選から始まり、準備や調理の段階における創造性と技術、そして細心の注意を払い、美しく盛り付けられて提供されます。

生命維持という最も単純なことにおけるこうした細部へのこだわりは、製品を作ることに対する岐阜の製造業者や職人たちの姿勢を象徴しています。この考え方は、素材の厳選から、製造における細心の計画と実行、製品の最終的な見栄えと包装に至るまでの全ての工程に現れています。これらの姿勢や考え方こそが、私が日本の企業と共に働くことのやりがいであると思います。

 

Gifu Prefecture and Craftsmanship

-岐阜県と匠の技-

岐阜の第一印象は、その地形と地質です。岐阜は山々に囲まれ、約80%を広葉樹から針葉樹までたくさんの種類の森林が占めています。特に11月には、緑から赤や橙、金色、黄色に紅葉し、絶景となります。

岐阜の多くの匠の技は、こうした自然環境の産物です。山には金属鉱石があり、金属加工や製紙、陶業に必要である豊かな清流を産み出します。川からの流出物が、美しい谷間に肥沃な粘土質の土地を形成します。そのため、岐阜には、モノづくりに必要な素晴らしい天然素材が豊富にあるというだけではなく、職人たちは、生み出された製品に対して特別な感情を抱くのです。

セバスチャン・コンラン・ギフ・コレクションを作った全ての製造業者には、美しく高品質な製品を作り出してきた長い歴史があります。デザイナーとしての役割は、岐阜に着想を得た美学の統一感を保ちつつ、国際的にアピールできる製品レンジを考案し、共同して開発することでした。どの製品一つをとっても、製造業者の卓越した技術を駆使し、使われている素晴らしい地元の素材を称え、地域や製造業者に共感できるように、共同でデザインしています。

2017年から2019年までの過去三年間、セバスチャン・コンラン・ギフ・コレクションは、1月のメゾン・エ・オブジェで、共同作品を発表し、岐阜の素晴らしい職人の国際的知名度を高めてきました。作品への反応は驚くべきものであり、この展示により、製造業者の国際的な存在感を高めただけでなく、岐阜県がデザインと職人技の中心地であるという認識を世界へ確立できたと確信しています。

地球の反対側にある、ロンドンのスタジオから異なる言語で16もの製造業者と商品開発を行うことは、全員にとって大きな挑戦でした。岐阜県庁及び関係者の素晴らしい献身および大変なご努力のおかげで、このプロジェクトが成功を収め、素晴らしい成果を得ることが出来ました。大変感銘を受けています。心より感謝申し上げます。